編み図読めますか
編み図、分かりますか?
私は通信教育で手編み講師の免状を取るまで、ほぼ、自己流だった。
洋裁の製図は母が洋裁をしていたり、通っていた学校が中学生のころから文化式の原型を教えるような学校だったので、割としっかりと教え込まれた。
で、編み図だが、これは通信教育を受けるまで正規に学んだわけではない。
学校で授業の一場面として習ったくらいだ。
だから、というか、手芸店に来られる受講生さんもたぶん学校でやったことあるわ、という人が多いと思う。
自己流であっても、最初はそんな風に簡単な編み図をみんなと同じに習ったから。
授業時間の都合でカットされているかもしれないけど、マフラーの一本くらいきっと編んでいると思う。
通信教育でしっかりと基礎をやるまで同じ場面に立っていたのだから同じ、だと思う。
ただ、どんな編み本でも終わりの方には、編み図記号の編み方が載っている。
見たことのないような編み図は、編みたい作品にはなくても、やってみる。
ちょこっと残り糸を引っぱり出してきて、模様編みの目数×2くらいの目を作って、やってみるのだ。
そういう風にして、編み図を覚えてきた。
編み図の便利なところとは?
なんて便利なんだろう、と改めて思ったのはネットを始めて英語のレシピに出合った時だった。
英語のレシピにも一応記号はあり、日本の編み図の記号と同じである。
しかし、ひと模様の編み方のみ記号で書かれていてあとは、編んでいく手順が文章で書かれている。
そばに人がいて、こうやって次はこう編んでいくのよ、と教えてもらっているような感じ。
初めての人ならいいかもしれない。
裏と表をひっくり返して次の段を編むときも、レシピに書いてある通りに編んでいけばいい。
しかし、ある程度編む力がある人なら、全体像が分かりにくい。
編み図なら、パッと編みあがりのイメージが編み図から分かってくる。
それがとても便利なのだ。
大きさを変えるにしても、違う糸で編むにしても、全体のイメージがつかめるというのはとても大切なことだから。
編み図を読めない人の ”壁”
編み図を説明していても、なかなか理解してくれない人がいる。
それもかなりの数。
この長編みの次はこれ、と説明しても、続いて編む編み目がどこにあるのか、が分からないようなのだ。
記号は独立しているが、編んでいく順番には書いてある。
その順番が初心者にはとらえられないようなのだ。
棒針で編む記号もしかり。
表から見ながら編むときと裏から見ながら編むときは、記号をひっくり返して考えなければいけない。
編み図はあくまで表からみた状態で書かれている。それが全体像を把握するのにとても便利な所以である。
そして初心者には大きな壁である。
それをひょっと乗り越えられる人、なかなか乗り越えられない人。いろいろなのだ。
編み物に限らず、手を使う作業は根気のいるものだ。
諦めずにひとつ、ひとつ、やっていくしかない。
苦労かもしれないけど、ひとつ大作を仕上げたらとても嬉しい。
その成果が分かるから、編み物は面白い。
諦めないで、一日ひと目でもいい。
編んで欲しい。
編み図があなたのものになるまで。